電子後方散乱回折（EBSD）システムの主要構成要素

通常、EBSD システムは、以下のような構成になっています。

• 走査型電子顕微鏡 (SEM)
• SEM ステージまたは傾斜ホルダを使用して、水平から70度に傾斜させた結晶サンプル。
• サンプルから散乱された電子により蛍光を発する蛍光体スクリーン。
• 蛍光体スクリーンに形成されたパターンを見るための CCD または CMOS センサー（レンズシステムまたはファイバーオプティクス内蔵）。
• 使用時には検出器の位置を正確に制御し、使用しない時には安全な位置に格納することで、SEM の動作に支障をきたさない挿入機構。
• さらに、EBSD 検出器には昇降制御が存在し、より広い作動距離に最適化された収集ジオメトリを使用可。
• ビームやステージの動きを含む、SEMを制御するエレクトロニクス。
• EBSD 測定の制御、回折パターンの収集および解析、ならびに結果の表示を実行するコンピュータおよびソフトウェア。
• キャリブレーションを維持し、システムを使いやすくするための検出器挿入および昇降のソフトウェア制御。
• EBSD データ収集前に、サンプルの微細構造画像の生成に使用される、蛍光体スクリーンの周囲に取り付けられた前方散乱ダイオード（FSD）。
• EBSD システムは、オプションでEDS システムと統合可能。

SEMチャンバーに搭載されたEBSD 検出器、ならびに EDS 検出器を示すアニメーション。EBSD 検出器の中には、図のような昇降制御が可能なものもあり、サンプル対検出器のジオメトリの汎用性を高めています。

EBSD ソフトウェアは、電子ビーム制御からパターンインデックス作成までの収集プロセス全体を制御し、EBSD データの詳細な照会を可能にします。